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ジャズ名曲集

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デューク・エリントン「テイク・ジ・“A”・トレイン」(1941年)

デューク・エリントンの「テイク・ジ・"A"・トレイン」は、1941年2月にリリースされたジャズの名曲。
ビリー・ストレイホーンが作曲したこの曲は、ニューヨークの"A"トレインに乗ってハーレムへ向かう情景を描いており、エリントン楽団の代表曲として広く知られている。

デイヴ・ブルーベック・カルテット「テイク・ファイブ」(1959年)

変拍子ジャズの代名詞ともいえるこの曲は、5拍子のリズムが特徴。ピアニストのデイヴ・ブルーベックとサックス奏者ポール・デスモンドのコントラストが美しく、スウィングしながらもどこか冷静な雰囲気を持つ名演だ。

マイルス・デイヴィス「ソー・ホワット」(1959年)

モード・ジャズの代表曲。シンプルな2つのコード進行を軸に、マイルスのクールなトランペットが空間を切り裂く。ビル・エヴァンスのピアノとジョン・コルトレーンのサックスも冴えわたり、インストの真髄が詰まっている。

ビル・エヴァンス「ブルー・イン・グリーン」(1959年)

「ソー・ホワット」と同じく『カインド・オブ・ブルー』収録。繊細で詩的なエヴァンスのピアノが主役のバラード。静けさの中に深い感情がにじみ出る、インスト・バラードの傑作だ。

ハービー・ハンコック「カンタロープ・アイランド」(1964年)

ブルージーでファンキーなリフが印象的なこの曲は、モダン・ジャズとファンクの橋渡し的存在。シンプルな構造ながら高い中毒性があり、サンプリングやリミックスにも多用された。

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ「モーニン」(1958年)

ハードバップの象徴ともいえるこの曲は、ゴスペルの熱気をジャズに融合させた一曲。ホーン・セクションの掛け合いとブレイキーのパワフルなドラムが一体となって迫力のある演奏を生み出す。

マイルス・デイヴィス「イン・ア・サイレント・ウェイ」(1969年)

静謐な音空間からじわじわと高揚感を生む、エレクトリック期マイルスの代表作。ハービー・ハンコックらによる電気ピアノのレイヤーが、従来のジャズとは一線を画す世界観を創出する。

セロニアス・モンク「ラウンド・ミッドナイト」(1947年)

ジャズ・バラードの永遠のスタンダード。モンクならではの不協和音や独特のタイミングが生きたピアノ演奏は、深い味わいと余韻を残す。歌も存在するが、やはりピアノ・ソロが真骨頂。

ホレス・シルヴァー「ソング・フォー・マイ・ファーザー」(1964年)

ブラジル音楽の影響を感じさせるリズムと、覚えやすいメロディが魅力の一曲。父親へのオマージュとして書かれた温かみのある演奏で、ポップス・リスナーにも広く知られている。

ハービー・ハンコック「カメレオン」(1973年)

ファンクとジャズが融合した電化ジャズの名曲。印象的なシンセベースのリフに乗せて、各奏者が自由にソロを繰り広げる。聴く者を自然と身体ごと引き込む圧倒的なグルーヴがある。


歌のないジャズだからこそ、奏者のニュアンスやアンサンブルの妙がより深く響いてくる。言葉がなくても、音だけで語ることのできるジャズの懐の深さを、今回紹介した名曲たちから感じ取ってほしい。

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