音楽

スーザ「星条旗よ永遠なれ」

John Phillip Sousa

スーザ「星条旗よ永遠なれ」

ジョン・フィリップ・スーザ作曲の「星条旗よ永遠なれ(The Stars and Stripes Forever)」は、アメリカを代表する行進曲であり、世界的にも高い知名度を誇るマーチの名曲だ。
華やかで力強いメロディは、愛国心を鼓舞し、パレードや式典を盛り上げる音楽として今も幅広く使用されている。

曲の概要

「星条旗よ永遠なれ」は、1896年にスーザがヨーロッパ旅行中に着想を得て作曲された。
アメリカ合衆国ではこの曲が**公式の国家行進曲(National March)**として認定されており、特別な地位を持っている。

もともとはスーザ自身が率いる「スーザ・バンド」のレパートリーとして演奏されていたが、瞬く間に全米で知られるようになり、現在ではアメリカの象徴的楽曲のひとつとして定着している。

音楽的特徴

この曲は典型的な行進曲形式を持ち、明快な4拍子で進行する。
力強い序奏のあと、明るく覚えやすい主旋律が続き、徐々に盛り上がりながらクライマックスへと向かっていく構成になっている。

特に有名なのは、トリオと呼ばれる部分で登場するピッコロのソロ・メロディであり、これが曲のクライマックスを鮮やかに彩る。
この部分はアメリカの行進曲の中でも屈指の名場面とされ、観客の拍手喝采を浴びる瞬間となることが多い。

歴史的背景と受容

スーザは「マーチ王(The March King)」と呼ばれるほど、多くの行進曲を残した作曲家であり、「ワシントン・ポスト・マーチ」や「忠誠(Semper Fidelis)」なども有名だが、中でも「星条旗よ永遠なれ」は最高傑作と評価されている。

アメリカでは、独立記念日(7月4日)や退役軍人の日、各種の祝典やスポーツイベントなど、愛国的な場面で頻繁に演奏される。
また、災害時や火災時に演奏される“非公式の避難の合図”として使用されてきた歴史もある。

まとめ

「星条旗よ永遠なれ」は、アメリカの国民的マーチとして、120年以上にわたり演奏され続けている名曲だ。
その力強いリズムと高揚感あふれるメロディは、国家を象徴する音楽としてだけでなく、聴く人すべての心を鼓舞する力を持っている。
行進曲という枠を超えた芸術性とエネルギーに満ちたこの作品を、ぜひ改めてじっくりと味わってみてほしい。

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