
エルガー「威風堂々 第1番」
エドワード・エルガーの「威風堂々 第1番(Pomp and Circumstance March No.1)」は、イギリスを代表する壮麗な行進曲であり、式典や卒業式などの場で頻繁に演奏される名曲だ。
その堂々たる旋律と高揚感あふれる構成は、多くの人々の記憶に深く刻まれている。
曲の概要
「威風堂々」は、エルガーが1901年に発表した行進曲集『Pomp and Circumstance』の第1番にあたる作品だ。
全5曲から成るこのシリーズの中でも、特に第1番は群を抜いて有名であり、英国王エドワード7世からも称賛された。
タイトルの「Pomp and Circumstance」は、シェイクスピアの『オセロー』の一節に由来しており、格式と儀礼、栄光を象徴する言葉だ。
音楽的特徴
この曲は、力強い行進リズムと荘厳な金管のファンファーレで幕を開ける。
やがて登場する中間部の旋律(トリオ)が特に有名で、後に「Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)」という歌詞が付けられ、イギリスでは第二の国歌とも称される存在となった。
トリオ部分は、優雅で伸びやかなメロディが特徴で、聴く者の心を高揚させるとともに、力強く堂々たる印象を与える。
その後、冒頭の行進主題が再現され、壮大なフィナーレへと向かっていく。
歴史的背景と受容
エルガーが「威風堂々 第1番」を初演した際、聴衆は中間部の旋律に熱狂し、演奏中にもかかわらず拍手が起こったという逸話が残っている。
このメロディは後に戴冠式やロイヤル・イベントなどの公式行事でも使用され、エルガー自身の名を国民的作曲家として確立するきっかけとなった。
また、アメリカではこの曲のトリオ部分が卒業式の定番曲として定着しており、"Graduation March" の名でも知られている。
イギリスとアメリカの両方で、まったく異なる文脈で親しまれているという点も、この曲のユニークな特徴だ。
まとめ
エルガーの「威風堂々 第1番」は、気品と力強さを兼ね備えた行進曲の傑作であり、国を越えて多くの人々の心を打ち続けている。
その壮麗なメロディと堂々たる構成は、人生の晴れ舞台や記念すべき瞬間にふさわしい音楽といえる。
まだしっかりと聴いたことがないという人も、ぜひ一度、式典を彩るこの名曲の真価に触れてみてほしい。
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