
ローリング・ストーンズ「ミス・ユー」
1978年、ローリング・ストーンズは「ミス・ユー」という一風変わったナンバーを世に放った。ロック・バンドでありながら、当時のディスコブームに寄り添うようなリズムとグルーヴを持ち、ストーンズらしからぬ妖艶さを帯びた楽曲となった。しかし、そこに込められたのは一貫してストーンズらしい“都会の孤独”であり、そのギャップこそがこの曲の魅力となっている。
曲の概要
「ミス・ユー」は、1978年にリリースされたアルバム『女たち(Some Girls)』に収録されている。軽やかなディスコ・ビートに乗せて、ミック・ジャガーが“彼女がいなくて寂しい”と歌うこの曲は、当時のクラブシーンにもフィットするサウンドだった。一方で、ジャガーのヴォーカルにはどこか突き放したような冷たさがあり、虚無や欲望が交錯する都会の夜を思わせる空気感を醸し出している。
作詞・作曲とプロデューサー
「ミス・ユー」の作詞・作曲は、ミック・ジャガーとキース・リチャーズによるもの。プロデューサーはバンド自身とクリス・キムゼイが務めており、バンドのサウンドに新たな感触を取り入れることに成功している。また、この曲ではセッション・ミュージシャンとしてビリー・プレストンがクラヴィネットを、サックス奏者メル・コリンズが印象的なソロを提供しており、楽曲に都会的な艶やかさを加えている。
チャート
「ミス・ユー」は、1978年にシングルとしてリリースされ、全米Billboard Hot 100で1位を獲得。ストーンズにとって8曲目の全米No.1ヒットとなり、商業的にも大成功を収めた。また、イギリスでは最高3位を記録し、世界的にヒットを飛ばすこととなった。この曲は、ディスコとロックの境界を曖昧にした先駆的なナンバーとしても評価されている。
ミュージック・ビデオ
「ミス・ユー」のミュージック・ビデオは、当時の公式な形では制作されていなかったが、後に公開されたライブ映像やプロモーション映像では、バンドの妖しげで都会的な雰囲気を映し出している。特に1978年のツアー映像では、ミック・ジャガーが曲のビートに合わせて踊りながら歌う姿が印象的で、楽曲の持つディスコ的な側面がより強調されている。
「ミス・ユー」は、ディスコという当時の流行をロックバンドとしていかに自分たちの文脈に落とし込むか、その答えを示した一曲だ。ローリング・ストーンズの柔軟性と時代感覚、そして変わらぬ“都会の寂しさ”を描き続ける姿勢が、今なおこの曲を色褪せない存在にしている。
The Rolling Stones - Miss You - Live 1997
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