
カーディガンズ「ラヴフール」
1996年、スウェーデン出身のバンド、カーディガンズが放った「ラヴフール(Lovefool)」は、甘く切ない恋心を描いた極上のポップ・ソングだ。ソフトでドリーミーなサウンドの裏に、報われない恋の切なさと執着が込められたこの曲は、世界中のリスナーの心をつかみ、90年代のポップカルチャーを象徴する1曲となった。
曲の概要
「ラヴフール」は、一方通行の愛に苦しむ主人公が、「嘘でもいいから愛して」と懇願する心情を描いた楽曲。明るくポップなメロディとリズミカルなビートに乗せて歌われるその内容は、軽やかながらもどこか不安定で、恋愛における依存や葛藤を巧みに表現している。ニーナ・パーションのやわらかく透明感のあるボーカルが、切実な歌詞に浮遊感と中毒性を与えている。
作詞・作曲とプロデューサー
作詞・作曲は、ギタリストのピーター・スヴェンソンとボーカルのニーナ・パーションによるもの。プロデュースはトーレ・ヨハンソンが担当しており、ジャジーでレトロな要素を取り入れつつ、当時のオルタナ・ポップの流れにもマッチする洗練されたサウンドに仕上げている。シンプルながらも奥行きのある編曲が、カーディガンズ独自の世界観を際立たせている。
チャート
「ラヴフール」は、アルバム『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』からのシングルとしてリリースされ、特に映画『ロミオ+ジュリエット』(1996年版)のサウンドトラックに収録されたことで世界的な注目を浴びた。アメリカではBillboard Hot 100 Airplayチャートで1位を獲得し、イギリスでは最高2位を記録。世界中のチャートで上位にランクインし、カーディガンズ最大のヒット曲となった。
ミュージック・ビデオ
ミュージック・ビデオは、幻想的なセットとクラシックな映画風の演出が特徴的で、バンドが不思議な空間でパフォーマンスする構成になっている。ニーナ・パーションの表情やしぐさには、楽曲の持つ儚さと可愛らしさ、そしてどこか危うい魅力が詰まっており、視覚的にも「ラヴフール」の世界観を豊かに補完している。
「ラヴフール」は、カーディガンズのポップセンスと感情表現が完璧に融合した名曲であり、90年代の恋愛ソングを代表する存在だ。明るいメロディに隠された深い葛藤と依存――そのギャップにこそ、時代を超えて聴き継がれる理由がある。恋をしたことのあるすべての人に響く、ほろ苦いラブソングである。
The Cardigans - Lovefool (International Version)
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