
フランク・シナトラ「カム・フライ・ウィズ・ミー」
フランク・シナトラは20世紀を代表するエンターテイナーとして、今なお多くの音楽ファンやミュージシャンに影響を与えている。そのシナトラの代表曲のひとつが「カム・フライ・ウィズ・ミー」だ。洗練されたビッグバンドサウンドと、シナトラならではの余裕たっぷりの歌声が魅力の名曲で、ジャズやポップスを語る上でも欠かせない存在となっている。ここでは、この「カム・フライ・ウィズ・ミー」について詳しく紹介する。
曲の概要
「カム・フライ・ウィズ・ミー」は、フランク・シナトラが1958年にリリースしたアルバム『カム・フライ・ウィズ・ミー』のタイトル曲。アルバム全体が世界旅行をテーマにしたコンセプト作品となっており、この表題曲は「空の旅へ一緒に行こう」というロマンチックで軽快なナンバーに仕上がっている。ビッグバンドの華やかなアレンジとシナトラのスムーズな歌声が心地よく、リリースから60年以上経った今でも多くのファンに愛され続けている。
作詞・作曲とプロデューサー
作詞・作曲は、シナトラ作品ではおなじみのソングライター・コンビであるジミー・ヴァン・ヒューゼンとサミー・カーン。2人は数々のシナトラのヒット曲を手掛けており、「カム・フライ・ウィズ・ミー」でもそのコンビネーションが存分に発揮されている。
プロデューサーはキャピトル・レコード時代のシナトラを支えたデイヴ・キャヴァノー。さらに、アルバム全体のアレンジと指揮を担当したのは、名編曲家のビリー・メイ。この黄金トリオによって、「カム・フライ・ウィズ・ミー」は名盤としての地位を確立した。
チャート
「カム・フライ・ウィズ・ミー」自体はシングルカットされていないが、同名アルバム『カム・フライ・ウィズ・ミー』は、ビルボード・アルバム・チャートで1位を獲得。1958年2月から5週間トップに君臨し、シナトラにとってキャピトル時代を象徴する大ヒット作となった。シングルチャートに登場しなかったにもかかわらず、ライブでの定番曲となり、その後も数多くのアーティストによってカバーされてきた。
ミュージック・ビデオ
「カム・フライ・ウィズ・ミー」が発表された1958年当時は、現在のようなミュージック・ビデオ文化は存在しなかった。ただ、シナトラはテレビ番組や特別番組で何度もこの曲を披露しており、モノクロ映像やステージ映像が今でも多く残されている。特に1960年代に放送されたシナトラの特番『A Man and His Music』でのパフォーマンスは、貴重な映像資料として音楽ファンやミュージシャンにとって見逃せないものとなっている。
Frank Sinatra - Come Fly With Me
フランク・シナトラ「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
フランク・シナトラの代表曲「Fly Me to the Moon」は、1964年4月にリリースされた。もともとは1954年に書かれた楽曲だが、シナトラによるジャジーでスウィンギーなアレンジが加えられ、ネルソン・リドルのオーケストラと共に録音されたこのバージョンが世界的に有名になった。彼の歌声と洗練されたアレンジが融合したこの曲は、今でもスタンダード・ナンバーとして愛され続けている。