洋楽

アローズ「アイ・ラブ・ロックンロール」

The Arrows

アローズ「アイ・ラブ・ロックンロール」

1970年代のイギリス音楽シーンは、グラムロックやパンクの台頭によって、エネルギーと反骨精神に満ちた時代だった。そんな中、アローズ(The Arrows)は短命ながらも強烈なインパクトを残したバンドとして記憶されている。

彼らが1975年に発表した「アイ・ラブ・ロックンロール(I Love Rock 'n' Roll)」は、当初はそれほど大きなヒットにはならなかったものの、後にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツによってカバーされて世界的な大ヒットとなったことで、改めて注目を浴びることとなった。

曲の概要

「アイ・ラブ・ロックンロール」は、キャッチーなリフとシンプルで力強いビートを持つロックンロール・ナンバーである。

曲の歌詞は、ジュークボックスで音楽を聴きながら見知らぬ相手に声をかける、というシチュエーションを描いており、ロックンロールを愛する気持ちと若者の自由な恋愛感情が交錯する内容となっている。

テンポはミドルテンポでありながら、繰り返されるギターリフが印象的で、ライブパフォーマンスでも盛り上がりやすい構成となっている。アローズのバージョンは、生々しいサウンドとややラフなボーカルが特徴で、スタジオ録音というよりもライブに近い臨場感がある。

作詞・作曲とプロデューサー

「アイ・ラブ・ロックンロール」の作詞・作曲は、アローズのメンバーであるアラン・メリル(Alan Merrill)とジェイク・フッカー(Jake Hooker)によって行われた。

アラン・メリルは、アメリカ出身ながらイギリスで活動していたシンガーソングライターで、彼のロックへの深い愛情とパフォーマンスへの情熱が、この楽曲には込められている。

プロデューサーを務めたのはミッキー・モスト(Mickie Most)で、彼は当時ジェフ・ベックやドノヴァンなどを手がけたことで知られる敏腕プロデューサーだった。

モストは、アローズの持つ荒削りながらも勢いのあるサウンドを引き立てる方向で制作を進め、バンドの個性を最大限に生かした作品として仕上げた。

チャート

アローズ版の「アイ・ラブ・ロックンロール」は、1975年にシングルとしてリリースされたが、イギリスのチャートでは大ヒットとはならなかった。

一方で、イギリス国内のテレビ番組『45』で彼ら自身がホストを務める形で演奏したことで一定の知名度を獲得し、カルト的な人気を持つ楽曲となった。

その後1982年に、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツによってカバーされ、このバージョンが全米Billboard Hot 100で7週連続1位を獲得するという大ヒットを記録。アローズのオリジナル版も改めて再評価され、ロック史における重要な一曲として位置づけられるようになった。

ミュージック・ビデオ

1970年代半ばのリリースということもあり、アローズ版の「アイ・ラブ・ロックンロール」には、現代的な意味での公式ミュージック・ビデオは存在しない。

しかしながら、前述のテレビ番組『45』でのパフォーマンス映像が、事実上のMVのような役割を果たしている。

この映像では、シンプルなステージセットの中で、アローズのメンバーがエネルギッシュに演奏する様子が捉えられており、当時のロックバンドらしい無骨さとカジュアルさが感じられる。

また、このパフォーマンス映像は、後年のYouTubeなどでも多く視聴されており、オリジナル版の魅力を知るうえで貴重な資料となっている。

アローズの「アイ・ラブ・ロックンロール」は、リリース当初は過小評価されていたものの、その後のカバーを通じて広く知られるようになった楽曲である。

そのシンプルで力強い構成は、ライブでもスタジオでも映えるロックの基本形を体現しており、音楽ファンにもミュージシャンにも大きな影響を与えている。

ロックンロールの楽しさと勢いをストレートに伝えるこの楽曲は、今なお多くのリスナーに愛され続けている。

Arrows, I Love Rock N Roll, Alan Merrill


ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ「アイ・ラブ・ロックン・ロール」

ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの代表曲「アイ・ラブ・ロックン・ロール」は、1981年11月にリリースされた。
アローズが1975年に発表した原曲をカバーしたこのバージョンは、パワフルなボーカルとシンプルで印象的なギターリフが絶妙にマッチし、たちまち全米チャートを席巻。
特に、ロックの魅力をストレートに伝えるキャッチーなサウンドは、当時の若者たちの心を掴み、1982年にはBillboard Hot 100で7週連続1位を獲得する大ヒットとなった。


ブリトニー・スピアーズ「アイ・ラブ・ロックン・ロール」

ブリトニー・スピアーズの「アイ・ラブ・ロックン・ロール」は、2002年5月にリリースされたシングルだ。
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツによる1981年の大ヒット曲をカバーし、原曲のロックなエネルギーにブリトニーらしいセクシーでポップなアレンジを加えた仕上がりになっている。
このカバーは、主演映画『クロスロード』の挿入歌としても使用され、彼女の新たな一面を印象づけた。
力強くもキュートなパフォーマンスが話題となり、当時のティーン世代を中心に高い人気を集めた一曲だ。


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