
ザ・ベンチャーズ「パイプライン」
1960年代に世界中でサーフ・ロック・ブームを巻き起こしたベンチャーズは、日本でも「テケテケ・サウンド」で知られ、今なお多くのファンを持つインストゥルメンタル・バンドだ。そんな彼らがカバーした「パイプライン」は、原曲であるザ・シャンテイズ版と並び、インスト・ロックの定番として多くの人々に親しまれている。
曲の概要
ベンチャーズによる「パイプライン」は、原曲の雰囲気を踏襲しつつも、彼ら独自のシャープでタイトな演奏が際立つカバー作品となっている。滑らかなギターのフレーズとドラムの切れ味、そして全体の音のバランス感覚が、原曲に対するリスペクトと職人芸的なアレンジ力を感じさせる仕上がりになっている。
作詞・作曲とプロデューサー
オリジナルの「パイプライン」は、ザ・シャンテイズのボブ・スペルマンとブライアン・カーマンによって作曲された。ベンチャーズのバージョンは彼らのアルバムやライブで頻繁に取り上げられており、特定のプロデューサーの名前が明記されているわけではないが、当時の彼らのレコーディングの多くはジョー・サラシーノ(Joe Saraceno)がプロデュースを手がけていた。
チャート
ベンチャーズの「パイプライン」は単独シングルとして全米チャートを大きく賑わせたわけではないが、ライブ定番曲として長く演奏され続け、インスト・ロックの名曲として多くのコンピレーションやベスト盤にも収録されている。日本でも非常に人気が高く、テレビ番組やCMなどで耳にする機会も多い。
ミュージック・ビデオ
オリジナルの「パイプライン」と同様に、当時のベンチャーズのバージョンには公式のミュージック・ビデオは存在しない。ただし、彼らのライブ映像やテレビ出演のアーカイブ映像では、「パイプライン」を演奏するシーンが多く残っており、YouTubeなどで視聴可能だ。スーツ姿で淡々と演奏する姿は、まさに“インスト職人”としての彼らの魅力を体現している。
ベンチャーズによる「パイプライン」は、原曲へのオマージュでありながら、自らの音楽スタイルで再解釈した名演といえる。サーフ・ロックを超え、ロック・インストゥルメンタルのクラシックとして、これからも語り継がれていくだろう。
The Ventures - Pipeline. Live in Japan 66. HQ IN COLOUR. {HQ Stereo}