
マイケル・ジャクソン「今夜はドント・ストップ」
マイケル・ジャクソンが1979年にリリースしたアルバム『オフ・ザ・ウォール』は、彼のソロアーティストとしての新たなスタートを象徴する作品となった。その中でも特に強いインパクトを残したのが「今夜はドント・ストップ(Don’t Stop 'Til You Get Enough)」だ。この曲は、ディスコとファンクを融合させた革新的なダンスナンバーであり、音楽ファンやミュージシャンにとっては、マイケルの才能が本格的に花開いた記念碑的な楽曲といえる。ここでは、「今夜はドント・ストップ」の魅力を深掘りしていく。
曲の概要
「今夜はドント・ストップ」は、1979年7月にシングルとしてリリースされた楽曲で、アルバム『オフ・ザ・ウォール』の先行シングルとして発表された。
この曲のテーマは「音楽に身を委ね、心のままに踊り続ける喜び」。歌詞自体はシンプルながら、解放感や高揚感が全面に押し出されており、音楽の楽しさや身体を動かす喜びをストレートに伝えている。
音楽的には、ディスコのグルーヴ感を軸にしつつ、ジャズやソウル、R&Bのエッセンスをふんだんに取り入れている。イントロでは、マイケルのウィスパーボイス(ささやき声)からスタートし、一気に煌びやかなストリングスやリズムセクションが加わる展開は、ダンスナンバーでありながらドラマティックな構成を持っている。
ベースラインのうねりや、ギターのカッティング、ホーンセクションの絶妙な配置は、まさに「踊るための音楽」として計算し尽くされたもの。さらにマイケルの持ち味である、リズミカルなファルセットボーカルが曲全体を引っ張ることで、躍動感あふれる楽曲に仕上がっている。
作詞・作曲とプロデューサー
作詞・作曲を手掛けたのは、マイケル・ジャクソン自身。10代の頃からジャクソン5として数多くのヒットを生んできたマイケルだが、「今夜はドント・ストップ」は、彼が初めて本格的にソロアーティストとして自ら曲作りに関わった作品だった。
自分自身の音楽的ビジョンを具体化したという意味でも、この曲はマイケルにとって大きな転機となった。
プロデューサーはクインシー・ジョーンズ。
当時すでに一流プロデューサーとして名を馳せていたクインシーと、若きマイケルのコラボレーションは、音楽史に残る名タッグとして広く知られる。
クインシーは、スタジオミュージシャンやエンジニアにも最高のメンバーを揃え、マイケルのエネルギーとアイデアを最大限引き出すサウンドを作り上げた。
リズムの細かいノリや、楽器ごとの音像のクリアさ、ストリングスやホーンのアレンジなど、すべてにクインシーならではの洗練された職人技が光っている。
チャート
「今夜はドント・ストップ」はリリース直後から爆発的な人気を集め、全米シングルチャート(ビルボード・ホット100)で1位を獲得。
R&Bチャートでも1位に輝き、マイケルにとってソロアーティストとして初めての全米ナンバーワンシングルとなった。
イギリス、カナダ、オーストラリアなど世界各国でもチャート上位にランクインし、ディスコブームを象徴する大ヒット曲となった。
さらに第22回グラミー賞では、最優秀R&B男性ボーカルパフォーマンス賞を受賞。ダンスナンバーでありながら、その完成度の高さやマイケルの歌唱力が高く評価された結果だった。
ミュージック・ビデオ
「今夜はドント・ストップ」のミュージックビデオは、マイケルのソロキャリア初期の映像作品としても重要な意味を持っている。
シンプルなスタジオセットで踊るマイケルの姿を中心に構成されており、複雑なストーリーや演出はないものの、ダンスのキレやステップの滑らかさ、そしてマイケル特有の表現力が存分に発揮されている。
背景の映像効果や、マイケルの衣装も1970年代後半のディスコ文化を色濃く反映しており、当時のファッションや映像表現のトレンドを知るうえでも貴重な資料となっている。
その後、「スリラー」などでミュージックビデオの概念を大きく進化させるマイケルだが、「今夜はドント・ストップ」のビデオには、音楽とダンスの楽しさをシンプルに伝えるという原点的な魅力が詰まっている。
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マイケル・ジャクソン「ブラック・オア・ホワイト」
マイケル・ジャクソンの「ブラック・オア・ホワイト」は、1991年11月にリリースされたシングルで、アルバム『デンジャラス』からの一曲だ。この曲は、人種差別に対するメッセージを込めた歌詞と、ポップ、ロック、ヒップホップを融合させた革新的なサウンドで注目を集めた。リリース後、ビルボードHot 100で1位を獲得し、世界的な成功を収めた。
ジャクソン5「帰ってほしいの」
ジャクソン5の「帰ってほしいの(I Want You Back)」は、1969年10月にリリースされたデビュー・シングルで、モータウン・レコードから発表された。マイケル・ジャクソンがリードボーカルを務めたこの曲は、グループにとって初の全米No.1ヒットとなり、その後の輝かしいキャリアの幕開けを飾った。キャッチーなメロディとソウルフルな演奏が魅力で、モータウン・サウンドを代表する名曲として広く知られている。