
ブリトニー・スピアーズ「アイ・ラブ・ロックン・ロール」
2002年、ブリトニー・スピアーズは4作目のスタジオ・アルバム『ブリトニー』からのシングルとして「アイ・ラブ・ロックン・ロール(I Love Rock 'n' Roll)」をカバーし、世に送り出した。
この楽曲は、1975年にアローズによって発表され、1982年にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツのカバーによって大ヒットを記録したロック・アンセムである。ブリトニーのバージョンは、ポップ・アイドルとしての彼女のイメージに新たな一面を加え、より挑戦的でセクシーな方向性を打ち出した作品となった。
曲の概要
ブリトニー版「アイ・ラブ・ロックン・ロール」は、オリジナルのロックなエッジを残しつつも、より現代的でデジタル感のあるプロダクションが施されている。エレクトリック・ギターとシンセサイザーが重なるサウンドが特徴的で、原曲やジョーン・ジェットのバージョンに比べて、ポップ寄りのアプローチがなされている。
ブリトニーのボーカルは、セクシーさと挑発的なトーンを強調しており、ティーンポップからの脱却を図るような演出が随所に見られる。曲のテンポはミドルで、踊れるリズム感も備えていることから、彼女の当時のステージ演出とも親和性が高かった。
楽曲は、2002年公開の映画『クロスロード』でも使用されており、同作に主演したブリトニーのイメージ戦略の一環としても機能していた。
作詞・作曲とプロデューサー
この曲の原作者は、アローズのアラン・メリルとジェイク・フッカーである。ブリトニーのバージョンでは、オリジナルの作詞・作曲をそのまま使用しつつ、2000年代初頭のサウンドに合うような再アレンジが施されている。
プロデュースを手がけたのは、元オレオのメンバーでありブリトニーとも過去に複数回タッグを組んでいるロドニー・ジャーキンス(Rodney "Darkchild" Jerkins)。
彼のプロダクションは、アーバンでタイトなリズムと、洗練されたシンセサウンドが特徴であり、本楽曲でもそのスタイルが色濃く反映されている。ギターサウンドもデジタル処理されており、従来のロックというよりは、ポップ/R&B寄りのアプローチが目立つ。
チャート
「アイ・ラブ・ロックン・ロール」は、アメリカではBillboard Hot 100で大きなヒットとはならなかったが、ヨーロッパやアジアの国々では比較的好調な成績を収めた。
イギリスのUKシングルチャートではトップ20入りを果たし、オーストラリアやドイツ、日本でも一定の人気を集めた。また、MTVをはじめとする音楽専門チャンネルでのオンエア頻度も高く、視覚的なインパクトを含めて話題となった。
ブリトニーの既存ファン層を中心に受け入れられた一方で、ロックファンからは賛否両論の声も上がった。しかしながら、ポップアイコンがロックの名曲を取り上げたという点で、世代間の架け橋となる役割を果たしたとも言える。
ミュージック・ビデオ
この曲のミュージック・ビデオは、ブリトニーのキャリアの中でも特にセクシュアルで挑発的な演出がなされた作品のひとつである。
映像は、暗めのロックバーを舞台に、バイクに乗るブリトニーや、バンドを従えてステージでパフォーマンスする姿が描かれている。
レザー衣装やタトゥー風のアクセサリー、赤と黒を基調とした照明など、ヴィジュアル面でもロック的なモチーフが強調されており、彼女の新たなイメージ構築を図る狙いが見て取れる。
このビデオはMTVなどで頻繁に放送され、視覚的なインパクトによって楽曲そのもの以上に印象を残したとも言える。
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ブリトニー・スピアーズ「ベイビー・ワン・モア・タイム」
ブリトニー・スピアーズの「ベイビー・ワン・モア・タイム(...Baby One More Time)」は、1998年10月にリリースされたデビューシングルで、彼女を一躍世界的なポップスターへと押し上げた代表曲である。マックス・マーティンによるキャッチーなメロディとインパクトのあるアレンジ、そしてブリトニーの個性的なボーカルが相まって、90年代後半のポップミュージックを象徴する楽曲となった。
アローズ「アイ・ラブ・ロックンロール」
アローズの「アイ・ラブ・ロックンロール」は、1975年7月にリリースされたオリジナル楽曲。力強いギターリフとシンプルなロックンロールの魅力が詰まった一曲で、のちにジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツやブリトニー・スピアーズによってカバーされたことで広く知られるようになった。原曲はラフでエネルギッシュなサウンドが特徴だ。
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ「アイ・ラブ・ロックン・ロール」
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの「アイ・ラブ・ロックン・ロール」は、1982年1月にリリースされたカバーシングル。原曲はアローズによる1975年の楽曲だが、ジョーン・ジェットのパワフルなボーカルと荒々しいギターサウンドで再構築され、ロック史に残る大ヒットとなった。彼女の代表曲として広く知られており、ロックのアンセムとも言える一曲だ。